おいらの人生これから、こらから・・持病に負けず、老いにも負けず・・リタイヤ爺の独り言

なっちゃんの帰郷 (3)

彼女の演奏時間外はバラード調のポップやジャズのBGM
が流れカラオケは無い、だからと言う訳でも無いのだが、
店はしっとり落ち着いた、大人の雰囲気だ。

だからおいらやおいらが連れてくる友人が、何時ものよう
に馬鹿騒ぎをするとマスターは機嫌が悪くなる、保たれて
いた大人の雰囲気と言うやつが台無しにされるからだ。

おいら正直このシックなムードが苦手だ、楓ちゃんがピア
ノを弾いている時は大人しくしているのだが、カクテルグ
ラスを傾けながらお洒落なお話となると、どんどんいけい
けの某キャバレーが恋しくなる、まだまだ大人に成れない
、そんなおいらを自覚するのもここにいる時だ。

ところで彼女、もうとっくに50を過ぎているのに、いつ
ものフランス人形のような出で立ち、厚めの化粧はきらび
やかなのだけど、ちょいと怖い、素はかなりの美人なのに
どうしてそうなるのかなぁと、いつも思う。

「珍しく早いお出ましだなぁ」
皮肉っぽく太一が声をかける。

「斉藤君お久しぶり」
ここの仲間は皆おいらを君づけで呼ぶ、楓ちゃんも例外で
はない。

「どした体の方は」
ピアノの手を止めた彼女にカウンターから声をかけた

「まあまあかな、斉藤君こそどうなの」

「ゴルフ始めた・・」

「おいおい大丈夫なのか」
太一が口を挟む。

「コースは無理っぽいけど、打ちっぱなしはほぼ毎日行っ
てる」

「去年の今頃なんか杖をついて来たくせに、杖がアイアン
に変わるとはねぇ」
太一がそう言って笑う。

「凄い!何だか嬉しい、私も頑張らなくっちゃ」
彼女は顔を綻ばせた。

彼女の笑う顔はとても可愛い、でもそのお化粧は
やはりちょいと怖い。





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獏(ばく)は、中国から日本へ伝わった伝説の生物。人の悪夢を喰って生きると言われてます。どうぞ悪夢を見た時はここに来て「この夢をばくにあげます」とコメントして下さい、そうすれば貴方は、その悪夢を二度と見ずにすむ事でしょう。

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