おいらの人生これから、こらから・・持病に負けず、老いにも負けず・・リタイヤ爺の独り言

プレインクスな爺達


まず口を開いたのはM氏、彼は酔うとお姉言葉になるのだが、まだ素面の今はそれでなくても渋い顔を更に曇らせ「実は女将、F氏遠い所に言ってしまったんだ。」、「え!!」と女将、「本人の断っての希望で公にしないでくれと言う事で、まだ私らと近親者しか知らないのだが・・」、M氏は低い声で話ながら、さりげにおいら達を見まわした、おいら達も又、暗い顔で静かに目を伏せる、笑いを噛みしめるのは辛いものだ。

だけどM氏の言葉に嘘は無い、だってヨーロッパは遠い所で、女性同伴なので公に出来ないし、知っているのは息子と娘とおいら達だけだ。

話が進む内に女将の目はもう真っ赤で、無口な板さんも包丁を握りしめたままこちらを伺っている、「とりあえず今日はこんな服装だから、大人しく腹ごしらえしたら帰るわ」、みな、刺身をおかずに、たのんだお握りを頬張りながら、静かに燗酒をちびりちびりと。

声をつまらせ一言も発しないまま、奥に引っ込んだ女将はしばらく出てこなかった、ネタ晴らしの機を逸してしまったおいら達は、気まずい空気の中、次回に楽しみを残しつつ、ひとまず店を後にした。

こんな調子でF氏の行きつけを2件ほどはしごした後、いよいよ本命の会議場へ、たしかここの支配人は10年前の一件は知らないはず、知っているのは多分美香ちゃんだけだ、黒服のじじい4人が静かにボックスに座る、最初に美香ちゃんがおいらの隣に来たので、いつもの挨拶代わりのハグを、「えっ!今日は・・」と美香ちゃん、おいらが何も言わずに遠い目を・・そすると「あれ!」みたいな顔でおいらを見るので、おいら神妙な顔してこっくりと・・、これで美香ちゃんも共犯者だ。

いつも相手してくれる女子達も席に着く、そして何時ものように支配人がちょっとだけ挨拶に来る、黒服を察してか「今日は?」と・・

するともうすっかりお姉になっているM氏が「実はFちゃんがね・・・・」と哀愁たっぷりな表情で口火をきる、案の定皆の表情が曇る。
そう言えば10年前のあの日、美香ちゃんはK氏の悲報をきいて周りに憚る事無く、おいおいと泣き出したんだっけ、そんな彼女の目を覗き込むと、流石に皆と歩調を合わすのが憚られたのか、黙って目を伏せてる、そしてふっと吐息を洩らしている。
そうなんです、奴は笑いをこらえているのです。

おいら達の腹の中とは裏腹に、場はどんどん暗くなる、ここでもおいら達は、F氏が死んだとか、葬式だとかそんな事は一言も言っていない、M氏が実に巧妙な話術でみんなをその気にさせていく、彼の切なそうなお姉言葉は、女子達の心にこれでもか!ってくらいに滲み渡る。

支配人から話を聞き、チーママのさつきさんもボックスの仲間に加わり、しんみりとした雰囲気から徐々にF氏の思い出話やら、武勇伝やらに、そして笑いも、女子達は泣き笑いである。

いつもならこの後、帯広の町を徘徊しながら午前様になるのだが、喪服着用と言う事もあって、今日はここで解散、帰りしなにさつきさんが、Fさんのボトルどうしましょうと聞くのでとりあえず次回の会合まで置いといてと・・

そして此処でも、結局ネタばらしはせずに。

そして本当に面白くなるのは次回の会合、Fちゃんが帰ってきてからだ。

おいら今からわくわくしている。










関連記事
コメント
コメントの投稿
【Font & Icon】
管理者にだけ表示を許可する
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

中高年よ大志を抱け
クラーク02
10 | 2017/11 | 12
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -
プロフィール

ばく

Author:ばく
獏(ばく)は、中国から日本へ伝わった伝説の生物。人の悪夢を喰って生きると言われてます。どうぞ悪夢を見た時はここに来て「この夢をばくにあげます」とコメントして下さい、そうすれば貴方は、その悪夢を二度と見ずにすむ事でしょう。

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

参加してます。
カテゴリ
最新記事
月別アーカイブ
のぞき部屋
検索フォーム
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
言葉は力

presented by 地球の名言

         
ばくの本棚
TOEICボキャドリル