おいらの人生これから、こらから・・持病に負けず、老いにも負けず・・リタイヤ爺の独り言

そしてモモは死んだ


「お父さん!モモのお尻が・・」
「どうした」
「なんかお尻が変」
「あらま、これはウンコだな」
「こんなに大きく固まって」

一月ほど前からモモの背中のふくらみに気がついてはいたのだが、病院と言っても、帯広にはそれらしき所はなく、札幌に鳥専門の病院があると言うので、息子に調べさせていたところで、でも、背中のふくらみに気づくちょいと前、義母が遊びに来て、モモの羽下がっているねぇと言っていた、鳥は羽が下がると長くないよとも・・

そんなんで、その後気にしていたのだが、確かに以前のように羽はこちっと体についていなく、背中のふくらみも捕まえて羽をめくってみると、どうやら癌みたいで、それでも止まり木にはしっかり掴まっているし、食事もきちんととっているので、二人の心配もそんなに逼迫していなかったわけで・・

「兎に角お尻を洗ってやるか」

とりあえずモモをタオルにくるみ、キッチンのシンクで鳥肌程度のぬるま湯で優しく洗ってみた、でもうんこの塊は意外と頑丈で、歯ブラシでごしごしと、でも痛くはしていない、モモはちょいと騒いだが、そして何とかお尻は綺麗になった。

タオルの中でモモは目を閉じている。

「おい!終わったぞ」と、おいら

モモは目を開けない、そして動かない。

「こら!ふざけてないで目を覚ませ!!」

昔我が家で鶏を飼ったことがある、その頃はよくキツネが鶏を狙って出没、庭で放し飼いだったもので、何羽か奴らの餌食になり、逃げ伸びた鶏は溝の中で死んだようにカチカチに固まっていた、でもそのうち危険が去ったことを知ると、又、コッココッコと歩き出した。

今のモモもきっとそうなんだ、お尻に水をかけられ、歯ブラシでごしごしされたんで、びっくりして死んだふりしちゃってるんだ。

「おーい、おーーい」

「まさか死んではいないよね」

奥方のそういわれても、鳥の脈なんてとったことないし、心音だって聞こえないし、耳ん中にくちばしを突っ込んでみたって息をしてるかどうか分かんないし・・

奥方は涙目になりながら、「モモちゃーーん、モモちゃーーん」と叫ぶ。

死んだ(・・?、いやそんな馬鹿な!!

何が何だかわからぬまま、それでも必死でモモの口をこじ開け息を送り込み、わけ分らんけど心マッサージを試みる。

人差し指で、心臓があるであろう胸の下を何度も何度も・・

でもモモはとうとう目を開かなかった。

モモは死んだ、いやおいらが殺した、涙と鼻水がモモの亡骸にしたたり落ちた。

今まで泣いていた奥方は、おいらのぐしゃぐしゃの顔を見て「しょうがないね、しょうがないのよねぇー、寿命だったんだよねぇ」と・・

その夜二人は泣きはらした後、ガーゼで包んだモモを急ごしらえの棺桶に、棺桶と言ってもロイズの空き箱なんだけど・・

そしていつも通る橋の袂へ、でも暗いし、おいらの足じゃ土手を下りるのもちょいと危険だし、仕方がないので10K離れた専務のいつもの釣り場に行き、ロイズの空き箱に眠るモモを流した。

川岸の溜まりにモモの眠る箱を浮かべると、モモはちょっと立ち止まり、そしてのんびり、ゆっくり流れていく、奥方は懐中電灯でモモを追い続ける。

さよならモモ、ごめんなモモ・・・

殺しちゃってごめんな・・・

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在りし日のモモとオカメリンゴ







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獏(ばく)は、中国から日本へ伝わった伝説の生物。人の悪夢を喰って生きると言われてます。どうぞ悪夢を見た時はここに来て「この夢をばくにあげます」とコメントして下さい、そうすれば貴方は、その悪夢を二度と見ずにすむ事でしょう。

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